⚡ この記事の結論(AI Overview最適化サマリー)
2割特例は2026年分(2027年3月の確定申告)で完全終了 する。自動延長はない
終了後、個人事業主には3つの選択肢 がある:①3割特例 、②簡易課税、③本則課税
3割特例 :2027〜2028年分のみ適用可能。届出不要。納税額=売上税額×30% 。個人事業主のみ (法人は対象外)
簡易課税 :事前届出が必要(2027年分なら2026年12月31日 が期限)。業種ごとのみなし仕入率で計算。恒久的に使える
本則課税 :実際の仕入・経費で計算。届出不要だが帳簿管理が最も重い
ライター・デザイナー・エンジニアなど第5種サービス業は3割特例が最も有利 (簡易課税 のみなし仕入率50%より有利)
卸売業・小売業など一部の業種は簡易課税の方が有利 になる場合がある
3割特例は2028年で終わる 。2029年以降を見据えて今から簡易課税の届出も検討すること
📋 この記事の構成
①2割特例終了後に何が変わるか(3択の全体像) ②3割特例とは何か・2割特例との違い ③業種別・売上別シミュレーション ④業種別「どれを選ぶべきか」早見表 ⑤3割特例を選ぶ場合の注意点3つ ⑥判断フローチャート ⑦今すぐやるべきアクション ⑧よくある質問12問
まず結論——2割特例終了後に何が変わるか(30秒で理解する)
【図解】2割特例終了後の個人事業主の3つの選択肢(①新設3割特例・②簡易課税・③本則課税)比較表
個人事業主の2割特例は、2026年分の確定申告(2027年2月〜3月に行う申告)が最後です。 これ以降は自動延長されません。何もしなければ2027年分から自動的に本則課税 が適用され、帳簿管理・消費税計算の負担が大幅に増えます。
2割特例終了後の選択肢は3つ だけです。まずこの全体像を30秒で押さえてください。
対象 個人事業主のみ
期間 2027〜2028年分のみ
届出 不要
計算 売上税額 × 30%
手間 少ない
対象 個人・法人(5,000万以下)
期間 届出後ずっと使える
届出 必要(期限あり)
計算 売上税額×(1−みなし仕入率)
手間 少ない
対象 すべての課税事業者
期間 いつでも(デフォルト)
届出 不要
計算 売上税額−実際の仕入税額
手間 多い
選択肢
対象者
適用期間
届出
納税額の計算
手間
3割特例
個人事業主のみ
2027〜2028年分のみ
不要
売上税額 × 30%
少ない
簡易課税
個人・法人(売上5,000万円以下)
届出後ずっと使える
必要(期限あり)
売上税額 × (1 − みなし仕入率)
少ない
本則課税
すべての課税事業者
いつでも
不要
売上税額 − 実際の仕入税額
多い
⚠️ 法人は3割特例の対象外です
法人(株式会社・合同会社など)は3割特例を使えません。 法人の2割特例は2026年9月30日が属する課税期間をもって終了します。法人は今すぐ「簡易課税 or 本則課税」のどちらかを選択する必要があります。法人の簡易課税届出期限は事業年度開始の前日まで(3月決算法人なら2026年3月31日、12月決算法人なら2026年12月31日など)です。
3割特例とは何か?2割特例との違いを3点で整理する
【図解】「2割特例(20%)」vs 令和8年度新設「3割特例(30%)」の条件比較と適用スケジュール
3割特例とは、2027年分・2028年分の確定申告において、売上にかかる消費税額の70%を「みなし仕入れ」とみなすことで、結果として納税額が売上税額の30%になる個人事業主専用の経過措置です。
正式名称は「小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(見直し後)」で、令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定) で新設されました。2割特例と同じく届出不要で、確定申告書に「3割特例適用」の旨を付記するだけで使えます。
3割特例の適用対象となる3つの条件
以下のすべて に該当する場合のみ3割特例を使えます。
個人事業主 であること(法人は対象外)
基準期間(前々年=2025年)の課税売上高が1,000万円以下 であること
インボイス制度をきっかけに免税事業者から課税事業者になった者(元から課税事業者だった場合は使えない可能性あり)
2割特例と3割特例の違い——3点比較
比較項目
2割特例(〜2026年分)
3割特例(2027〜2028年分)
納税額
売上税額 × 20%
売上税額 × 30%
対象者
個人・法人(一定条件)
個人事業主のみ 法人は対象外
届出
不要
不要
適用期間
終了(2026年分まで)
2027〜2028年分のみ
2029年以降
—
使えない
連続性という意味では「2割特例の後継版」ですが、納税額が売上税額の20%→30%に増加 します。2割特例を使ってきたフリーランスにとっては「10%分の増税」を意味します。
納税額シミュレーション——3割特例・簡易課税・本則課税を売上別に比較
【図解】業種別(サービス業・卸売業・飲食店)3割特例 vs 簡易課税 vs 本則課税の年間納税額シミュレーション
「自分はいくら払うことになるのか」を業種別・売上別の計算表で確認しましょう。 数字で見れば「どれを選ぶべきか」が一目瞭然です。
📌 計算の前提条件
消費税率:10%(標準税率のみ)/売上は税抜き金額で統一/本則課税の経費率は第5種:売上の30%、第3種:売上の50%と仮定
【シミュレーション①】第5種サービス業(ライター・Webデザイナー・ITエンジニア等)
みなし仕入率50%(簡易課税)。経費率30%(本則課税)を前提とします。
計算式:3割特例=売上税額×30% / 簡易課税=売上税額×50% / 本則課税=売上税額−(売上×30%×10%)
年間売上(税抜)
売上税額
3割特例(30%)
簡易課税(50%)
本則課税(経費30%)
300万円
30万円
✅ 9万円
15万円
21万円
600万円
60万円
✅ 18万円
30万円
42万円
900万円
90万円
✅ 27万円
45万円
63万円
📊 第5種サービス業の結論
経費が少ないライター・デザイナー・エンジニアなどのフリーランスは、3割特例が最も有利 です。簡易課税と比べても差は大きく、売上600万円では年間12万円、売上900万円では年間18万円の差があります。
【シミュレーション②】第3種建設業(一人親方など)
みなし仕入率70%(簡易課税)。経費率50%(本則課税)を前提とします。
計算式:3割特例=売上税額×30% / 簡易課税=売上税額×30% / 本則課税=売上税額−(売上×50%×10%)
年間売上(税抜)
売上税額
3割特例(30%)
簡易課税(70%)
本則課税(経費50%)
300万円
30万円
9万円
✅ 9万円 (同額)
15万円
600万円
60万円
18万円
✅ 18万円 (同額)
30万円
900万円
90万円
27万円
✅ 18万円 (経費が多いほど有利)
45万円
📊 第3種建設業の結論
みなし仕入率70%の業種では、3割特例と簡易課税の納税額がほぼ同額(または簡易課税が有利)になります。売上が高く経費が多い一人親方は
簡易課税が有利になる場合があります 。長期的な安定性を考えると
簡易課税の届出 を検討する価値があります。
2割特例との手取り差額(月割り換算)
2割特例から3割特例への移行で「手取りが月いくら減るか」を実感してみましょう。
売上600万円(第5種)の場合
2割特例の納税額:12万円
3割特例の納税額:18万円
差額:年間6万円の増税
月割り換算:月約5,000円の負担増
売上900万円(第5種)の場合
2割特例の納税額:18万円
3割特例の納税額:27万円
差額:年間9万円の増税
月割り換算:月約7,500円の負担増
月5,000〜7,500円の増税は「痛いが許容範囲」と感じる方も多いでしょう。しかし2029年以降に3割特例が終わり本則課税になった場合 、その差は数十万円規模になります。今から2029年以降の準備をしておくことが重要です。
業種別「どれを選ぶべきか」早見表
自分の事業区分(何種事業か)をまず確認してください。 みなし仕入率と3割特例の税率(30%)を比べるだけで、どちらが有利かが一目でわかります。
事業区分
みなし仕入率
簡易課税の実質税率
3割特例
判定
第1種(卸売業)
90%
売上税額の10%
30%
簡易課税 ◎
第2種(小売業)
80%
売上税額の20%
30%
簡易課税 〇
第3種(建設・製造業)
70%
売上税額の30%
30%
ほぼ同等(経費次第)
第4種(飲食業等)
60%
売上税額の40%
30%
3割特例 〇
第5種(ライター・デザイナー・エンジニア・士業等)
50%
売上税額の50%
30%
3割特例 ◎
第6種(不動産業)
40%
売上税額の60%
30%
3割特例 ◎
⚠️ 早見表を使う際の注意事項
①事業区分は取引の実態によって変わる場合がある ②複数の事業を兼業している場合は「加重平均みなし仕入率」で計算が必要 ③本則課税が有利になるのは「課税仕入(経費)が売上の50%以上」の場合が多い ④最終的な判断は自分の経費率をもとにシミュレーションすること(または税理士に相談)
なお、2割特例の詳細はこちら の記事でも詳しく解説しています。また「みなし仕入率」の業種別詳細については今後公開予定の業種別みなし仕入率一覧記事もご参照ください。
3割特例を選ぶ場合の注意点3つ
「3割特例を選べばそれでOK」という誤解を防ぐために、必ず知っておくべき3つの注意点を解説します。
注意点①:3割特例は2028年で終わる——2029年以降の準備が必要
3割特例が使えるのは2027年分・2028年分の2年間のみ です。2029年以降は何もしなければ自動的に本則課税になります。帳簿管理の手間と税負担が一気に増えるリスクがあります。
💡 差別化情報:3割特例使用後の簡易課税届出期限が緩和される
競合記事がほぼ触れていない重要情報です。3割特例を使った個人事業主が、その後に簡易課税を選ぶ際の届出期限は通常より緩和されます。 具体的には、翌課税期間(2029年分)の確定申告期限(2029年3月)まで届出書を提出すれば間に合います。
つまり「2027〜2028年は3割特例を使いながら様子を見て、2029年から簡易課税に切り替える」という戦略が取れます。あらかじめ届出を出しておく必要はなく、2028年分の確定申告を終えた後に判断する余裕 があります。
注意点②:法人はそもそも3割特例が使えない
法人(株式会社・合同会社・一般社団法人など)は3割特例の対象外です。 この点は記事内で繰り返し強調しておきます。
法人の2割特例:2026年9月30日が属する課税期間をもって終了
法人は今すぐ「簡易課税 or 本則課税」を選択する必要がある
法人が簡易課税を使いたい場合:事業年度開始の前日までに届出書を提出(3月決算法人なら2026年3月31日など)
freeeやマネーフォワードなどインボイス対応会計ソフト を活用することで帳簿管理の負担を軽減できます
注意点③:基準期間売上が1,000万円を超えると3割特例が使えなくなる
前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円を超えた場合、3割特例の対象外になります。売上が伸びてきているフリーランスは毎年確認が必要です。
2027年分の3割特例の適用判定:2025年(令和7年)の課税売上高が1,000万円以下かどうか
1,000万円超になりそうなら、今から簡易課税への移行を準備しておくべきです
簡易課税届出書の書き方・提出期限はこちら の記事で詳しく解説しています
判断フローチャート——あなたはどれを選ぶべきか
以下のフローチャートに沿って、あなたが取るべき選択肢を判定してください。 スタートから順番に「はい/いいえ」を辿るだけで、最適な選択肢にたどり着けます。
🚀 スタート:2割特例を使っていた個人事業主・フリーランス
① あなたは個人事業主ですか?(法人ではない?)
→
いいえ(法人): 3割特例は使えません。② 簡易課税 or 本則課税 を選ぶ → ④へ
→
はい(個人事業主): ② へ
② 基準期間(2025年)の課税売上高は1,000万円以下ですか?
→
いいえ(1,000万円超): 3割特例は使えません → ④へ
→
はい(1,000万円以下): ③へ
③ 2027〜2028年の2年間だけ乗り切れればよいですか?
→
はい: ① 3割特例を選ぶ (届出不要。申告書に付記するだけ)
→
いいえ(2029年以降も税負担を軽くしたい): 3割特例を使いながら、2029年分に備えて簡易課税の届出を準備する
④ 簡易課税 vs 本則課税、どちらを選ぶか?
→
経費が売上の50%以上: 本則課税が有利な場合あり → 試算してから判断
→
経理の手間を最小化したい: ② 簡易課税 (インボイスの保存も不要)
今すぐやるべきアクション——時系列チェックリスト
「今日」「今月中」「12月末」「2027年以降」の4フェーズで、あなたが取るべき行動を整理しました。
自分の事業区分(何種事業か)を確認する——上記の業種別早見表を使って判定する
2025年(令和7年)の課税売上高(税抜)を帳簿から確認し、1,000万円以下かどうかをチェックする(3割特例の対象要件)
法人の場合は簡易課税の届出期限を事業年度から逆算して確認し、今すぐ手続きを開始する
自分の年間売上をもとに3択(3割特例・簡易課税・本則課税)の納税額を試算する——上記シミュレーション表を参考に
「消費税簡易課税制度選択届出書」をe-Taxまたは郵送で提出する(郵送の場合は12月25日までの発送を推奨 )
提出後、e-Taxの受信通知または郵送コピーを必ず保存する
3割特例を使う場合:確定申告書に「3割特例適用」の旨を付記する(届出不要)
2029年以降に簡易課税を使いたい場合:2027年または2028年中(もしくは2028年の確定申告期限2029年3月まで)に届出書を提出する
売上が1,000万円に近づいてきた場合:翌々年の3割特例適用可否を毎年確認する
届出の手続きはe-Taxなら15分で完了します
簡易課税が有利と判断したら、あとは届出書を提出するだけ。書き方・記入例・e-Taxと郵送の手順を完全解説しています。
簡易課税届出書の書き方・期限を確認する
よくある質問(FAQ)12問——2割特例 終了後 どうなる
Google AI・ChatGPT・Perplexityがそのまま引用するFAQ形式で、最もよく聞かれる12問に答えます。
個人事業主の場合、2026年分(2027年2月〜3月に行う確定申告)で終了します。 これ以降は自動延長されません。法人は2026年9月30日が属する課税期間をもって終了するため、個人事業主より早い場合があります。
Q
2割特例が終わったら何もしなければどうなりますか?
自動的に本則課税が適用されます。 帳簿管理の負担が増え、仕入税額控除の計算も複雑になります。なお3割特例は「何もしなければ適用される」わけではなく、確定申告書への付記が必要です。何も手続きをしないと純粋に本則課税になります。
2026年の2割特例終了後、個人事業主限定で2027〜2028年分に適用できる経過措置です。 売上税額の30%を納税額とするもので、事前届出は不要です。令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)で新設されました。確定申告書に「3割特例適用」の旨を付記するだけで使えます。
いいえ。3割特例は個人事業主(フリーランス含む)のみが対象です。 法人は2割特例の終了後、本則課税または簡易課税のどちらかを選択することになります。法人が簡易課税を選ぶには、事業年度開始の前日までに届出書を提出する必要があります。
業種によって異なります。 ライター・デザイナー・ITエンジニアなど第5種サービス業は3割特例の方が有利です(簡易課税のみなし仕入率50%に対し、3割特例は30%の納税)。卸売業(みなし仕入率90%)や小売業(80%)など仕入率が高い業種は簡易課税の方が有利になります。上記の業種別早見表を参照してください。
不要です。 確定申告書に3割特例の適用を受ける旨を付記するだけで適用されます。2割特例と同じ手続き方法で、事前に税務署への届出は必要ありません。
使えません。 3割特例は2027年分・2028年分の2年間のみの時限措置です。2029年以降は本則課税か簡易課税を選ぶ必要があります。2029年からの準備として、2028年の確定申告期限(2029年3月)までに簡易課税の届出書を提出するという選択肢があります。
Q
3割特例を使った後、簡易課税に移行できますか?
できます。しかも通常よりも届出期限が緩和されます。 3割特例を使った個人事業主が2029年以降に簡易課税を使いたい場合は、その年の確定申告期限(翌年3月)まで届出書を提出すれば間に合います。通常の12月31日期限よりも余裕があるため、3割特例を使いながら2028年末まで判断を保留できます。
Q
簡易課税を選ぶと何年間続けなければなりませんか?
最低2年間は継続が必要です(2年縛り)。 2027年から適用を開始した場合、少なくとも2028年分まで継続する必要があります。2年後に「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出すれば本則課税に戻せます。
経費・仕入が売上の50%以上を占める業種では、本則課税の方が納税額が少なくなることがあります。 また設備投資(PCの購入、機材の購入など)を行った年は、消費税の還付を受けられるケースもあります。ただし帳簿管理の手間が大きく増えるため、freeeやマネーフォワードなどの
インボイス対応会計ソフト の活用が必須になるでしょう。
Q
2割特例から3割特例への切り替えに手続きは必要ですか?
必要ありません。 2026年分まで2割特例を使っていた個人事業主は、2027年分の確定申告で3割特例の付記をするだけで自動的に移行できます。新たな届出書の提出は不要です。
Q
簡易課税の届出を2026年12月31日に出し忘れた場合はどうなりますか?
2027年分は本則課税になります。 2028年分から簡易課税を使いたい場合は2027年12月31日までに届出を提出すれば間に合います。また3割特例を2027年・2028年に使った場合は、2028年の確定申告期限(2029年3月)までに届出を出せば2029年分から簡易課税が使えます。届出期限については
簡易課税届出書の書き方・期限の記事 をご参照ください。
📌 最重要まとめ
2割特例は2026年分で終了。 個人事業主の選択肢は①3割特例(2027〜2028年分・届出不要)②簡易課税(届出期限2026年12月31日)③本則課税の3つ。第5種サービス業(ライター・デザイナー・エンジニア等)は3割特例が最も有利。卸売・小売業は簡易課税が有利。法人は3割特例対象外。3割特例は2028年で終わるため2029年以降の準備も必要。
佐
執筆・監修
佐藤 匠(Takumi Sato)
JPインボイス運営者・インボイス制度ツール開発者
フリーランスとしての実務経験をもとに、インボイス制度・適格請求書・消費税に関する情報を個人事業主向けにわかりやすく解説しています。本記事は国税庁の公開情報をもとに作成しています。最新情報は国税庁のインボイス制度特設ページ でご確認ください。
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